もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
彼の嫉妬
昨日のことも、一昨日のことも。
全部夢じゃないかって思うほど。
健斗と驚く程距離が近づいたような、そんな気がした。
だって何度も甘いキスをされたのだ。
夢だと思って当然だと思う。
「唯香ー、映画のチケット、近所さんからもらったんだけどいる?」
それから2週間ほど経ったある日の朝。
いつも通り準備をしていたら、お母さんが映画のチケットをくれた。
「恋愛ものなんだけど、友達とでも行ってきたら?」
「ありがとう、そうする」
友達……と言われ、真っ先に頭に浮かんだのは健斗。
もちろんすぐにかき消したけれど。