もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「どうしたの?」
お互い名前呼びだということに、特別感があるなと思いながら、健斗に呼ばれた私は振り返る。
「今年の委員会、どうする?」
「えっ?」
そんなこと、まだ全然考えていなかったから、戸惑ってしまう私。
去年は前期こそ、先生に無理矢理決められ、健斗と一緒の図書委員になったけれど。
後期は自分たちから立候補して、健斗とまた図書委員になった。
だけど今は健斗と同じクラスになれるかどうかで、頭の中がいっぱいだったから、そこまで回っていなかったのだ。
「まだ考えてないや」
「じゃあまた図書委員やるか?」
わかっている。
委員会は男女ひとりずつで、健斗と仲がいい女子は私だけだから誘うんだって。
だけど委員会は強制じゃないし、半分くらいの人は委員会などやらない。
だからこそ、期待してしまう自分がいた。