もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「ね、ねぇ……どこか寄り道しない?
アイス食べたい」
「家にある」
「ほ、ほら、ジュースとかお菓子買おうよ!コンビニでもいいから!」
「それも家にある」
家に近づくにつれ、そわそわし出した唯香。
そしてあと少しで家に着く……となったところで、焦った様子の唯香が必死で寄り道を提案してきた。
もちろんバッサリ断るのだが。
「なんでそんな寄り道したいわけ?
どうせ家行く約束だし」
「し、心臓が……壊れる」
「は?」
「胸がどうしようもないくらい苦しくなるの」
何もしていないのに、唯香は頬が赤い。