もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜



「じゃあ、はい」


唯香にアイスを渡せば、お礼を言われて笑顔で受け取ってきた。

ダメだ、かわいい。


思わず頭を撫でてやると、唯香は気持ちよさそうな顔をしてアイスを頬張る。

これだと本物の子供だ。


「あれ、健斗は食べないの?」

その時、俺の分がないと思ったのだろう。
唯香がそう聞いてきた。


「別に、アイスの気分じゃないだけ」

「えーっ、美味しいのに!せっかくだし健斗も食べてよ、ほら」


すると唯香は何も考えずに、俺にアイスを差し出してきたかと思うと……すぐそれがどういう意味か気づいたらしく、顔を赤くしてその手を引っ込めた。

< 186 / 269 >

この作品をシェア

pagetop