もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「そんなに楽しみだったんだ?」
「ち、違……うわけではないけど、楽しみだけど!映画が楽しみってことで!」
「なら俺じゃなくて他に」
「ダメ!健斗がいいの!」
ほら、健斗はすぐそんな意地悪なことを言う。
好きって、意地悪するのが楽しいからって意味かもしれない。
そっちのほうが確率が高い気がして嫌だ。
「なんだよそれ、かわいすぎ」
「えっ……」
「映画、楽しみだな」
ドキッとした。
健斗の笑みがどこか大人びていて、さらには余裕も感じられて。