もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「う、うん……だから行かないとか言わないでよね」
「冗談だって。
俺以外のやつと行くとか逆に無理だから」
「……っ」
甘い言葉。
あの言葉を聞いてしまって以来、健斗の言葉ひとつひとつがわたしをさらにドキドキさせる。
今までは信じられなかったけれど、今は違う。
ドキドキしてしまうってことは、それを受け入れている自分がいるってことだ。
「今日はいつにも増してすぐ照れるんだな」
「け、健斗のせいです」
「また俺のせい」
「だってそうだから!」
健斗に照れた顔を見られないようにと、私は歩く足を速く進めた。