もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
*
放課後。
「健斗!ポップコーン!ホットドッグとかアイスもある!」
「……子供」
映画館に着くなり、食べ物の売り場を見て興奮してしまう私。
本当に食べるのが好きなのだと自分でも思う。
「だって映画と言えばポップコーン!
私ね、塩派なんだけど健斗は?」
「甘いのは無理だな」
「じゃあ塩で!一緒に分けっこしよう!」
「……っ」
健斗も塩派のようで、嬉しくなっていたら、なぜか健斗に顔を背けられてしまう。
「健斗?」
「今の言い方、反則」
「えっ?」
言い方?
何も反則的な言い方をした覚えはない。