もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「よしっ」
私も準備を終えると、教室を後にした。
そして図書室へと向かう。
図書室は4階にあるため、そこを目指して歩き始める。
3階には3年の教室があり、階段を上ろうとしたら多くの先輩がおりてきた。
もちろん2年である私は目立ってしまうため、視線を感じつつも俯いて足を進めた。
3階と4階の間にある階段の踊り場に差し掛かったその時。
「もしかして、あの子鈴野ちゃんじゃね?」
誰かが私の名前を呼んだため、思わず足を止めてしまった。
「えっ、マジ?
あのかわいい子だよな?」
「そうそう。君、鈴野ちゃん?」
さらには声をかけられ、思わず肩がビクッと跳ねた。