もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜

「あの時のことはごめん。
だから仕返しなんてしないで」


訴えるように健斗を見る。

だって、嫌だ。
健斗がわかってて女性に近づくだなんて。


想像したくもない。


「……かわいすぎなんだけど」
「スルーしないで」

「そもそも女嫌いなのに、そんなことできるわけねぇだろ？」

「わからないよ、そんなの。
だから頼んでるの」


じっと健斗を見つめていたら、彼は頭を撫でてきた。


「ほら、そんな顔すんなって。
全部冗談。

まさかこんな唯香が嫉妬するなんてな」

「……嫌？面倒くさい？」


自分でも驚いたくらいだ。
ここまで健斗を独り占めしたいって、思うだなんて。