もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
もうあと少しで終わる。
「すいません」
そう思っていたら、ついに話しかけられてしまった。
「は、はい」
「ここのお店って食べ物屋ですか?」
わざわざ聞かなくても看板にカフェって書いているのに……と思いつつ、ちゃんと質問に答える私。
「そうです。カフェをやってます」
「じゃあ君はここで働いてるの?」
「はい」
「君が案内してくれるなら、この店寄ろうかなぁ」
すると、そのうちのひとりが私の腕を掴み、意味深に笑った。
すぐに腕を振り払いたくなったが、相手はお客様。
そんなことはできないと思い、笑顔を浮かべる。