もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「かしこまりました、ご案内致します」
「ついでに連絡先、教えてよ」
するともうひとりが、私の腰に手をまわしてきて。
ゾッとした。
気持ち悪い、と。
そんな風に触れられるのは健斗しか嫌だ。
「すいません、そういうのはお断りさせていただいてて…」
「こっちは客なのに?」
「偉そうなこと言うんだな」
ニヤニヤと笑うふたり。
絶対わざとやっている。
多分……店に入る気はないのだろう。
先ほどから私と距離をピタリとくっつき、動こうとしない。