もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜



「お客様に悪いことしたら、謝罪だろ?」
「それからお詫びもしないとなぁ?」


嫌だ、健斗、助けて。
だんだんと手が震えてきて、涙が溢れそうになる。

だけどここで怖がってしまえば、相手の思う通り。


ぎゅっと目を瞑り、俯いて我慢していたら……。


店のドアが開く音がして。



「……唯香」

健斗の声が聞こえてきた。
思わず顔を上げると、健斗は怖いくらい冷たい無表情で。


「俺たちの相手はこの店員だけで良いから、お前は中に入れよ」


そんな健斗にも強気なふたり。

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