もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜



「あの、お客様。

残念ですが店前に防犯カメラが設置されていて、場合によってはこちらから訴えることも可能なのですが、この状況をどう説明しますか?」


スラスラと敬語で話す健斗に対し、ふたりはだんだんと顔色を悪くした。


「もし、こちらが何か無礼をしたのなら謝ります。
しかし、何もしていないのであれば……」

「……ちっ、もういいよ」
「こんな店、誰が行くか」


ようやくふたりは逃げるように、私から離れて背中を向けて歩き出した。

< 262 / 269 >

この作品をシェア

pagetop