もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「……っ、け、健斗」
「このバカ。
なんで黙って言うこと聞こうとしてんだよ」
ふたりがいなくなるなり、健斗は呆れた表情に変わって。
「だ、だって」
「もういいから。ほら、先に上がってろ。
オーナーには言っとくから」
健斗は優しくそう言うと、私を店の中へと入れた。
そしてオーナーに事情を話してくれ、私は少しだけ先に上がることになった。
控え室に行くと、途端に安心感に襲われて。
怖かった……けれど。
健斗が助けてくれたおかげで、無事だった私。