もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
思わず目を開けて振り返ると、そこには同じ制服を着た男子が立っていて。
どこかで見覚えのある男子だったけれど、思い出せない。
というか、先輩なような気がする。
「えっと……」
「さっきからフラフラしてるから気になって…迷惑だったらごめんね」
その人は申し訳なさそうに眉を下げた。
優しい雰囲気を纏っている、穏やかな人。
それが第一印象だった。
そしてやっぱり見たことがある。
ふと視線を下に移せば、彼はスポーツバッグを肩から下げていて。
スポーツバッグには【basketball club】と英語で書かれてあった。
それで思い出した。
バスケ部3年のキャプテンの人だ、と。