もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「あっ、すいません……大丈夫です」
慌てて笑顔を浮かべるけど、だるいのに変わりはない。
「……余計なお世話かもしれないけど」
「えっ……」
ぼそっと先輩が何かを呟いた、かと思えば。
タイミングよく止まった電車から降りようとし、私の腕を引いてきた。
「あ、あの先輩……!?ここ、降りる駅じゃ……」
あまりに突然なことに、私は抵抗をする暇がなくて、電車から降りることになった。
「座って待ってて」
なぜか先輩はそう言うと、どこかへ歩いてしまって。
不思議に思いつつも、私はホームにある椅子へと腰を下ろす。
そしてもたれて一息ついた。
「……はぁ」
外の風に当たると何倍も楽になったような気がした。