もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「す、すいません……本当に、私のせいで」
「俺が勝手にしたことだから気にしないで?
それに俺のほうこそ急に話しかけてごめんね」
私が謝るべきなのに、なぜか先輩に謝られてしまう。
「先輩は何も悪くないですよ」
「そんなことないよ。正直、気持ち悪がられたかもしれないって心配してた」
心配って、そこまで心配することでもない。
逆に私は感謝するべきなのだ。
だってあのまま電車に乗っていたら、さらに悪化していたかもしれない。
「気持ち悪がるなんて、そんなことないです……!
むしろ感謝しかなくて」
「それなら良かった。
ほら、水飲んで?」
「あ、お金…」
「いいから、これくらい」
そう言って先輩はキャップを開けて、水を差し出してきた。