もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
その表情に、私の胸は高鳴ってしまって。
ひとつひとつの健斗の表情に、これほど感情が左右されるほど、彼を好きになっていた私。
「教室、行くか」
「う、うん……!」
それから健斗と一緒に、新しい教室へと向かう。
「見て見て、かっこいい」
「せめて連絡先でもほしいなぁ」
その途中、多くの生徒から視線を感じた。
みんなの視線の先には健斗がいて。
それほど健斗は、誰もが認める完璧な容姿をしているのだ。
切れ長で、くっきりとした二重の目に、スッと通った鼻筋、不機嫌そうに閉じられた薄い唇。
一度も染めたことがないであろう黒い髪が、さらにかっこよさを際立たせていた。