もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「どうしてそんな顔してるの?」
「当たり前じゃない!だって唯香と光原先輩が付き合ったとでもなれば……きっと校内中の注目の的ね」
注目の的って、大げさな……こともないか。
相手はあの光原先輩なのだ。
それからもどういう会話をしていたのか、などと質問され続けていたら。
教室のドアが開く音がした。
質問攻めの状況から脱出したいなと思いつつ、私はドアのほうを見ると、そこには無表情である健斗の姿があった。
途端に昨日のことが頭の中を支配して、顔に出そうになるのを必死で抑える。
健斗はどこか不機嫌な雰囲気を漂わせながら、私の席の後ろへとやってきた。