もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
甘い罰
その日の放課後。
「…………」
「…………」
周りの視線を感じながら、私は廊下を歩く。
いや、正確に言えば……“私たち”は廊下を歩いていた。
今隣には健斗が無表情で立っていて。
そんな表情のくせに、手は握られていて恋人のフリっぽくしているのだろう。
「嘘、本当なんだ」
「お似合いだね」
周りにはボソボソと何やら言われていて、きっと私への悪口だろうと思った。
だってこんな私が健斗の隣にいるのだ。
その違いに泣けてくる。
どうせなら、ホームルームが終わるなり、早く帰っていれば良かった。