もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
「なんで今日、あんなバラし方したの?」
朝の衝撃発言について、私は歩きながら健斗に言及する。
「……別に、言葉通りのことを思っただけ」
「絶対違う。そのあと楽しそうに笑ってた」
「そりゃ周りの反応が面白かったら笑うだろ」
ほ、ほらやっぱり……楽しんでるんだ。
「私のことも考えてよ」
「隠していたら恋人のフリじゃなくなるだろ」
「そ、そうだけど……」
昨日の今日で早速言われても、困る。
「唯香は何もしなくていい。
ただ嘘に合わせとけばそれで。
俺が勝手にやるから」
「必死だね」
「当たり前だろ。これぐらいしねぇと意味ない」
それだけ女子が嫌いなのか。
なら私も確実に脈なしだ。