もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜






「適当に座っといて」


健斗の家に着くと、リビングに案内された私。


てっきり健斗の部屋だと勘違いしていたから、恥ずかしい。

だけど部屋よりも広い空間に、心なしか緊張がほぐれた気もした。



ソファに座って待っていると、健斗がジュースを持ってきてくれた。


「あっ、桃のジュース」


お礼を言って受け取り、一口飲むと桃の味がして。
私が一番好きなジュースだった。


「唯香が好きだって言ってたからな」
「えっ……それって」


健斗は最初から、私を家に誘うつもりだったってこと?

でも、どうして?


思わず健斗を見るけれど、表情ひとつ変えないから感情を読み取れない。

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