もう、限界だから。〜両片想いの溺愛同盟〜
*
「適当に座っといて」
健斗の家に着くと、リビングに案内された私。
てっきり健斗の部屋だと勘違いしていたから、恥ずかしい。
だけど部屋よりも広い空間に、心なしか緊張がほぐれた気もした。
ソファに座って待っていると、健斗がジュースを持ってきてくれた。
「あっ、桃のジュース」
お礼を言って受け取り、一口飲むと桃の味がして。
私が一番好きなジュースだった。
「唯香が好きだって言ってたからな」
「えっ……それって」
健斗は最初から、私を家に誘うつもりだったってこと?
でも、どうして?
思わず健斗を見るけれど、表情ひとつ変えないから感情を読み取れない。