「Last note」〜特性を持つ者へ3
「きゃぁぁぁー!!?」

突然、会場から叫び声が聞こえてきた。

「まさか……まさかまさかっ!」

走る鼓動に、冷ややかに血の気が引く感覚。
嫌な予感は的中してしまった……。

「あずみ!?…あずみ!おい、しっかりしろ!」

床に倒れ込んだあずみさんを、
真っ青な顔で抱きとめた誉が必死に声をかけていた。

苦しそうに息をするあずみさんは、
ドレスのお腹あたりに血が滲み出ている。

「………ほま…れ……ごめん…ね。」

誉に涙目でそう伝えると、
彼の頬に触れていたあずみさんの手が
そっと力を失い床に落ちた……。
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