「Last note」〜特性を持つ者へ3
「……っ救急車を!!!」

「俺がかける!!」

廣瀬が真っ先に電話をいれてくれたが、
会場中がパニックになった。

その場から離れようとする人も出てきて
俺は扉を閉めて会場に響くように叫んだ。

「全員、ここから出ないで下さい!!」

一斉に俺に視線が集まった。

「なんでだよ…刺されたんだろ?」
「まだ犯人近くにいるかも。」
「ここから出してよ怖いわ。」

押し通されそうにもなったが受け入れる訳にはいかない。

「なら、尚更出せません。
警察です。ご協力を。」

難波さんの真面目な指導が今役に立っている。
プライベートな時でもちゃんと警察手帳を持っていて良かった。

提示すると皆、不安そうな複雑な表情をあらわにしだした。
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