「Last note」〜特性を持つ者へ3
すぐに本部に電話をかけると、
本田刑事は烏丸と難波さんを寄越すと言ってくれたので、廣瀬に協力してもらって出口を封鎖した。

「青山がいない間、奇妙な事が起こった。」

俺の張り詰めた表情に真剣な目で廣瀬が言う。

「奇妙…?」

「あぁ。俺達の前で突然、血を流したんだ。」

廣瀬が言うには、あずみさんは誉や廣瀬達と話していた時に突然よろけだし、気づいた時にはお腹にナイフが刺さっていて、じわりと血を流したようだ。

「誰かが刺したのを見た訳でもないんだ。

青山。多分これは……特性保持者の仕業だ。」

廣瀬は昔の頃を思い出させるように、
"魔性"のオーラを醸し出してそう呟いた。

「……俺は匂いで、嫌な予感がしたよ。」

お互い見つめ合い、救急車と警察の仲間が来るのを待った。
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