「Last note」〜特性を持つ者へ3
〜プロローグ〜
ーある日のとある空港では、
飛行機が颯爽と綺麗に着陸し、
沢山の足並みがほっとしたように地面を踏みしめていく。
「久しぶりの日本ね。」
綺麗な黒髪のロングヘアの美人が
隣を歩くメガネをかけた背の高い男に話しかけた。
「そうだな。アメリカとは空気の匂いが違う」
ーだが、空港のロビーは泣き叫ぶ女性の声と
救急員たちの掛け声などで何やら騒がしい。
「奥さん、残念ですがお子さんはもう…」
「そんなっ!まだこんなに小さいのに!」
交わる人混みの中、良く見れば
声の主はテレビにも出ている大富豪の婦人。