「Last note」〜特性を持つ者へ3
「レナさん…っ行ってきます!」

彼女の両手に抱かれず、むしろ抱きしめる。
レナさんのパールのピアスが頬にヒンヤリ触れた。

「…今日も遥斗は、無事安全に帰ってきます。」

今回の口調は少し寂しげだったけど、これを行う事でレナさんも少しは気が紛れるらしい。

「行ってらっしゃい!」

結局は笑顔で見送ってもらえた俺は、病院へ向かった。

「レナさん、これからLeafに来る?
ドレスで撮影大会しようよ!渉くんに撮ってもらうの!」

「………行く。」

寂しくなるレナさんの心を気遣って、
ゆめちゃんが1人にさせまいと楽しい事を提案した。

レナさんはしたたかな女性だけど、
ほんのちょっと寂しがり屋な所がある。

だからこうゆう時は本当に、
ゆめちゃんと廣瀬が一緒に居てくれると安心なんだ…。
< 23 / 84 >

この作品をシェア

pagetop