「Last note」〜特性を持つ者へ3

ー「"healer"」ー

ドンッ!!!

「…あ、すいません。」

病室を出た時にうっかり人とぶつかってしまった。

「いえ、こちらこそ……って、青山くん!?」

「え、…さつきさん!?」

まさかの知り合いに2年ぶりに再会した。
綺麗な長い黒髪が印象的な美人で、
紺色のスーツ姿は以前よりも大人っぽく見えた。

彼女がここにいるとゆう事は…

「おい、さつき。勝手にうろちょろするな。」

メガネをかけた黒髪の長身の男が黒いコートの裾を靡かせて、角の病室から出てきた。

「………櫂。帰ってきてたのか。」

「青山!久しぶりだな。2年ぶりくらいか?」

彼の名は、鹿島 櫂(カイ)。

特性保持者だが、彼の場合少し特殊だ。
メガネを外し、静かに俺に近寄って"診て"いる。

「2つの特性を上手くコントロール出来るようになったみたいだが…"魔性"の方は少し暴走気味か?」

彼は100年に1度開花するかないかの
貴重な特性、"healer"の特性保持者だ。
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