「Last note」〜特性を持つ者へ3
「何で……分かる?」
櫂の言葉に廣瀬は驚きを隠せなかった。
彼の言う通り、夏頃から廣瀬は左手に違和感があったのだ。
数日前も、左手の痙攣のせいで皿を割っていた。
紅茶を飲み干したゆめちゃんは、
ただただ不安気な表情で2人のやり取りを見ていた。
「俺は廣瀬の"魔性"を復活させる為に、
今日ここに来たんだ……。」
不穏な空気が、店内を包む。
櫂とさつきさんが日本に帰ってきた理由。
それは、これから先起こるであろうある出来事の
"備え"であると語るのだった…。
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