「Last note」〜特性を持つ者へ3
「卒業式の日にタロットカードを渡したのは、
自分の違った明るい未来を信じて欲しかったから!
その為に今まで占い方を教えてきたんだ!
おまえの弱さもあずみ先輩は知ってたんだよ!!」

机を乱暴にどかした俺は、檻の中に手を入れ池田透の首根っこに掴みかかった。

だめだ…って分かってるのに、
俺は理性がぶっ飛んで完全にキレていた。

「"おまえはあずみさんの何を好きだったか
よく思い出してみろ!!"」

血走った目で俺は、池田透に言い放ったが
"魔性"の特性が暴走して半透明状態が解除された。

「…ぁ…あぁ、そんなのダメだ…。
あずみを、俺が刺した…。あずみ…。
優しいあずみが……好きだった……のに…」

どんどん姿が消えていき、

見えなくなった池田透の後悔の泣き声だけが、

檻の中で響いていた……。
< 66 / 84 >

この作品をシェア

pagetop