「Last note」〜特性を持つ者へ3
「……だめ…忘れたら…だめなの…。」

呼吸器にこもる声が、櫂にうったえる。

「あずみ!?目覚めたのか!」

誉があずみさんの反対の手を握りしめた。

「……なら、"治療 完了"だ。」

櫂はメガネをかけると、目が覚めたあずみさんは身体をゆっくりと起こした。

「あずみ、大丈夫か!?まだ身体が…」

「大丈夫よ、さすが"healer"ね。
ちょっと効きすぎなくらいだけど…ありがとう。」

そして、誉と抱き合った。

「誉…心配かけてごめんなさい。」

「本当に良かった!おかえり、あずみ…っ!」

俺は2人の様子を見て、目頭が熱くなった。
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