僕の1番大切な人
食事を終えて、姉さんと2人で夜道を歩いた。

道路沿いから離れて、僕らは駅に向かった。

手はつなげないけど、ただ隣りに並んで歩けるだけで幸せな気分になれた。

それから、電車に乗ったけど、今日は、すごく混んでいる。

姉さんを守るように僕が盾になった。

電車が揺れるたびに、姉さんと体が触れそうになる。

必死で踏ん張った。


姉さんに触れないように...


電車を降りて、姉さんを送ったら、僕は一人暮らしの自分のマンションに帰るんだ。

昨日みたいに一緒にはいられないから...

『凌馬君、ごめんね、お店では聞きづらくて…何か相談があったんでしょ?』

『...兄さんから聞いた?』

『ごめんね、凌馬君の大事な相談事、私に話させるなんて』

『...ううん。いいんだ。兄さんに話しても仕方ないことだから』

姉さんにも...だけど。

『もう大丈夫だから、今日はこのまま帰るね』

僕は姉さんにそう言って、手を振った。

ありがとう...

今日は姉さんに会えて嬉しかったよ。


だけど、なぜだろう、僕は、やっぱり大きなため息をついたんだ…







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