トリップしたら国王の軍師に任命されました。

 翌朝。

 グアニジムの城では、兵たちが会議をしているところだった。

「今の内にアミノ国を叩くべきです。彼らは先の戦いで、かなりの戦力を失った」

「しかし、こちらの弾薬や食料は底を尽きかけている。補給と援軍を待ち、備えを万全にしてからまた攻め込もう」

 後者の意見に賛成が集まり、城には五千の兵が待機していた。農民は作物を収穫するため、一旦解散させられている。

「国王陛下!」

 グアニジム国王の元に、ひとりの伝令兵が現れた。彼の報告に、王は目をむいた。

「システイン兵が早々に補給ルートを閉鎖しただと!?」

 物見の塔から外を見渡すと、夜の間に城の周りを包囲したシステイン兵が見えた。

「探索兵の報告によると、川の方にも兵が集まっているようです」

「川に?」

 川からの補給ルートはない。いったい何をするつもりなのか。国王は疑問に思ったが、とりあえずそれは置いておくことにした。

「おそらく籠城戦に持っていくつもりだろう。案ずるな。こちらには二年分の蓄えと、周りを囲む湿地がある。敵の自慢の鉄砲隊は使えぬ。落ち着いて援軍を待つのだ」

 国王は自らの兵たちを鼓舞した。システイン国に反発する国に援軍を求めてある。彼らが到着するまで、城を守るしかない。

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