死にたい



…これが2回目だった。

わたしが13才。お姉ちゃんが16才だった。

その時 お姉ちゃんは、どこかの暴走族の姫をやっていた。

幸せそうだった…

でも…、ある日お姉ちゃんはとても暗い顔で帰ってきた。理由を聞いたけど、答えてくれなかった。それから お姉ちゃんはずっと喋らなかった。

2週間後、帰ってきたお姉ちゃんがわたしに、「ごめんね…」と言った。その時は何を言いたいのかわからなかった。

…その時に理由を聞くなり、学校に行くなり、何かすれば良かったんだ。

その日、お姉ちゃんは自分の部屋で、手首を切り、

…自殺した。

お姉ちゃんの学校に行ってみると、お姉ちゃんは最近できた2人目の姫をいじめたというレッテルをはられ、全校生徒にいじめられていたらしい。

わたしが学校に行った時、たくさんの人に睨まれたのはきっとそのせいだ。 質問に答えてくれた人も、「あいつがレイナ様をいじめたのが悪い」っていっていた。おそらくレイナっていう人が裏切り者なんだろうな。

だって、お姉ちゃんがそんな事するわけないし。
いつだってわたしを気にしてくれた人がするわけない!



…お姉ちゃんはいつもわたしを気にしてくれた。
何度もわたしの不幸に巻き込まれているのに、わたしが暗い時や、辛い時は、一番に気づいてくれた。

なのに、わたしは辛いのに、苦しんでいるのに、気づけなかった!

…わたしのせいで、周りの人達が不幸になるんだ。

そう思うようになってから、友達とも遊ばないで、話さないで、突き放した。

…でも、いい加減 もう 限界だ。

死のうと思った。 まず、自分の住んでいるマンションの屋上から。でも、たまたま強い風が吹いて死ねなかった。

次にカッターで手首を切ろうとした。でも、カッターの刃が折れてしまった。

最後に自分から車に引かれようと飛び出した。そしたら、わたしが当たりにいこうとした車が事故を起こして、崖から落ちた。

そこでわかった。…わたしは、


‥死ねないと。

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