リアル人生ゲーム(裏)
【眠らなければいい】
板垣の提案に、みんな従うことにした。
ゲームは私たちが眠ってから始まる。眠ると屋上で目が覚め、サイコロを振らなくてはいけない。
それなら寝なければいい。
「なんか、久しぶりだね。こうやって光莉の家に泊まり来るとか」
パジャマ姿の未知瑠が、ベッドの上で枕を抱えている。
「でもなんか、未知瑠、寝る気まんまんじゃん」
「だって、パジャマパーティーだもん」
「寝ちゃダメだからね?」
「寝ない寝ない!」
と言いながら、大きなあくびをする。
1人では徹夜をする自信がないため、未知瑠を誘ったんだ。
2人で励まし合いながらなら、起きていられるんじゃないか?
ゲームをしたり、テレビを観たり、あれやこれやと話していたら、アッという間に日付が変わった。
あと5時間。
朝になれば、大丈夫だ。
「未知瑠、彼氏とどうなの?」
「どうってこと、ないけど」
「早く紹介してよ」
「うん、そのうちね」
そう言ってごまかす未知瑠は、彼氏の写メすら見せてくれない。
「それより未知瑠はどうなの?」
「どうって?」
「亮平と」
「うーん」
はっきり返事ができない。
ここ最近、亮平から避けられている気がしたからだ。