リアル人生ゲーム(裏)


はっと目を開けると、そこには真っ黒な空が広がっていた。


「光莉!」


先に眠った未知瑠が抱きついてくる。


私、寝ちゃったんだ。


周りを見回すと、亮平と彰がしかめっ面で立っている。


「俺たちもお互い寝ないように見張ってたけど、無理だった」


ギブスが取れた亮平が、そう言って頭をかく。


友美も目を真っ赤に充血させているのを見ると、寝ないよう努力したらしい。


「あれ、あいつは?」


私は尋ねた。


あいつが見当たらない。


寝ないことを提案した張本人、板垣だ。


「きっとまだ起きてるんだろう。やっぱり寝なきゃここに来ることもないかもな」


彰が腕組みをして言った時、空から悪魔が降ってきた。


「あれ?1人いないね。ま、いっか。もうゲームも中盤戦だ、元気にサイコロを投げよう!」


悪魔がサイコロを、ふんわりと放った。


1番手の未知瑠に向かって。


けれど、そのサイコロを彰がはたき落とす。


「俺たちはもう、サイコロを投げない」


「サイコロを、投げない?」


「ああ、不参加を表明する。本当は寝ないつもりだったが、サイコロを投げなきゃいいんだ」


「そっか、別にいいよ」


「えっ⁉︎」と、私たちは驚きの声を上げる。


あっさりと悪魔が引き下がったからだ。


こんなことなら、もっと早くに不参加を__。


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