リアル人生ゲーム(裏)


これまでと、違う。


これまでは課題をクリアすれば、悪いことを避けることができたのに。


「これは、今この場で暴露してもらうよ。そうしたら危機は回避できる」


悪魔が説明する。


今、この場で誰かの秘密を暴露しろと__。


友美は俯いたままだ。


それもそうだろう。


だって、友美が私たちの秘密なんて知っているはずがない。


暴露しようがないんだ。


「無いならいいよ?ご両親、離婚しちゃうけど」


「そ、それは__」


「でもだからって、下らない秘密はダメだからね。みんなが思わず、えーっ⁉︎って腰を抜かしちゃう特大級のやつじゃないとね」


面白がっている様子の悪魔に、どんどん追い詰められていく友美。


誰かの一大スクープを、友美が握っているわけがない。


離婚は避けられないか__?


ん?


その時、友美が私を振り返った。


なにか言いたげに口を開いたが、前に向き直って「こ、これ」と携帯を差し出す。


画面を確認しているのか、悪魔が覗き込んでいる。


どういうこと?


「こ、こ、これはスペシャル特大級だね!よし、画面を拡大しようか」


そう言って悪魔が指を鳴らすと、空中に画面が浮かび上がった。


それは、友美の携帯の動画なのだろう。


誰かが__未知瑠だ。


画面に未知瑠が現れた。


そして__。





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