リアル人生ゲーム(裏)
サイコロを受け取った。
ちょうど、サッカーボールサイズのサイコロだ。
みんなの視線が集中する。
いや、勢い余って立候補したけど、天使は私がこのゲームを始めたと知っているはず。でも今はバラされるのはまずい。
クラス委員は怒るだろうし、亮平にも文句を言われそうだ。
「光莉、がんば!」
未知瑠の応援に後押しされるように、私はサイコロを軽く放った。
ころころと転がっていく。
どの目が出るのがいいのか分からないが、早く終わらせるなら、大きい数字のほうがいいはずだ。
サイコロは③の目で傾き__。
⑥が出た。
「おおーっ」と亮平と彰が、驚いた声を上げる。
そしてそれは、天使も同じだった。
「1投目で⑥か。たまにいるんだよね、目を出す力があるやつって。そういうのに限って、頭は悪いけど」
天使がサイコロを拾い上げながら言うと、未知瑠たちが吹き出した。
「ちょっと、笑うな!」
そう言う私も笑っていたが「6つ進んで」と天使に言われ、四角いマス目を進んでいく。
「__しい、ご、ろく」
マス目自体にはなにも書かれていないが、私が6つ目に足を乗せると、マス目の角がめくれ上がった。
なにか、文字が書いてある。