リアル人生ゲーム(裏)
えっ、なにこれ⁉︎
100万円、拾うの?
「これは、ゲームの所持金が100万円になるというのとなのか?」
クラス委員の板垣康介が、冷静に尋ねる。
そういう遊び方をする、ボードゲームだからか?
だが、天使はふふふ、と笑っただけ。
「さぁ、次は誰が投げるー?」
「私私、私が投げる!」
未知瑠が元気に手を挙げ、天使からサイコロを受け取ると「うりゃー!」と空高く放り投げた。
もっと転がるかと思ったが、ぺたりと④が出る。
「いち、にい、さん、しっ!」
勢いよくマス目にジャンプをするが、いつまで経っても字が現れることがない。
「残念だったね。じゃ、次」
「俺いくわ」と、亮平が投げる。
③が出た。
けれど、マス目はめくれ上がらない。全部のマス目で何かが起きるわけではないらしい。
次は彰がサイコロを投げると③が出た。
四角いマス目に野郎が2人、肩を寄せ合っているのは見ていて可笑しいものがある。
「下らない」
じゃれ合っている男子を見、そう吐き捨てたクラス委員は⑤を出した。けれどこれも変化はない。
「それじゃ、最後は君だよ」
天使がサイコロを手渡すのは、佐野友美だ。
しばらく固まっていたが、投げるというより落とす感じでサイコロが転がる。
サイコロの目は①だった。