リアル人生ゲーム(裏)
大丈夫だ、用務員のじじぃは居ない。
なんとしてでも、これを燃やしてしまいたい。
灰にして、ゲームも終わらせてやる!
忍び足で焼却炉に近づくと、紙袋のまま中に放り込んだ。
すぐに火が燃え移る。
どうか、これでゲームが終わりますように!
見つからないうちに、急いで教室に戻る。
「__えっ?」
机の脇から、見覚えのある紙袋がぶら下がっていた。
私、袋ごと燃やした__よ、ね?
恐る恐る袋の中を覗き込むと、中には薄くて四角い箱が入っていた。
リアル人生ゲームだ。
今さっき、焼却炉に投げ込んで燃やしたはずなのに__。
ゴールをするまで、一生ついて回るのか?
気分がどんどん重たくなる。
授業がまるで頭に入ってこないまま、放課後を迎えた。
「光莉、見舞いに行くか?」
「あっ、うん。でも、どうしても行くところがあるから」
「俺も行こうか?」
なにかを察したのか、彰がそう言ってくれた。
でも「1人で大丈夫」とだけ言って、教室から出る。
私には、しなければいけないことがある。
私が始めたゲームを、私が終わらせるんだ。
その唯一の手がかりの元へ、私は向かった。