リアル人生ゲーム(裏)
「なに言ってるの?」
友美の顔に、ひびが入った。
「自分が死ぬのが怖いくせに。馬鹿のひとつ覚えみたいに爆弾爆弾って、それで私が言うことをきくと思ったら大間違いだし」
「ホントに使うから!次のゲームで粉々に吹き飛ばしてやるから!」
「やりゃいいじゃん」
あっさり言うと、さらに友美の顔が歪む。
「な、なんにも知らないくせに。私が今までどれだけ、どんな辛い思いをしたか、なんにも__」
「知らないわよ!」
途中で遮ってやった。
「知らないし、知りたくもない!いつまでも過去のこと、うじうじと。そんなんだからイジメられんのよ‼︎」
「__許さない」
それは、静かな怒りだった。
静かだけれど、とてつもなく怒っている。
このままなら、友美は次のターンで爆弾を使うだろう。
自分もろとも、私たちを消し去ってしまう。
大変なことになった。
爆弾の導火線に、火をつけてしまったんだ。
今さら謝ってももう遅い。
けれど、私は謝るつもりなんてない。
私にできるのは、たとえ友美を怒らせてでも【私に注意を引きつけておく】ことなんだ。
駆け足で突っ込んでくる、由佳の存在を気づかせないことだった。