リアル人生ゲーム(裏)
「っははは!あーははははっ‼︎」
突然、由佳が狂ったように笑い出す。
私は屋上から身を乗り出すと、地面を見下ろした。
不自然な方向に体をねじ曲げた友美が、倒れている。
「きゅ、救急車⁉︎」
慌ててスマホを取り出したが、その手を由佳にきつく掴まれる。
骨が軋むくらいに、強く。
「た、助けを__?」
「共犯者でしょ?一緒にあいつを殺したのよ」
瞳孔が開ききった目で私の顔を覗き込む由佳は、完全に正気を失っている。
でも【共犯者】という言葉が引っかかっていた。
確かに私は、由佳が向かってきているのを知っていた。
知っていて、友美の注意を自分に引きつけたんだ。
「これでもう【犬】にならなくてもいいのよ?」
「でも__」
「爆弾だって、使わないで済んだんだから!」
お礼を言われてもいいくらい!と、全く悪びれる様子はない。
由佳の言う通りだろう。
けれど__私が気にしているのは、そんなことじゃなかった。
友美が死んだとなれば、メンバーを補充しないといけない。
じゃないと、私が友美の分までサイコロを投げないといけないじゃないか。
いや、もし私が友美の代わりをするなら__【爆弾】は私のものになるのだろうか?