リアル人生ゲーム(裏)
一気にその場が白けた。
いくらゲームだとはいえ、あり得ない。
まだ私が100万円拾うのはいい。
でも、佐野友美がスカウトされてモデルになるなんて、あまりに現実とはかけ離れている。
ゲームだとはしても、やる気が失せていく。
「帰ろーぜ。それともこれ、ゴールまでやんの?」
亮平がつまらなそうに言うと、彰とともにマス目から離れていく。
クラス委員にいたっては、もう屋上の扉に手をかけていた。
「私はちょっと面白かったんだけどなー」
未知瑠も後に続く。
「サイコロを振るのは、1日1回だよ。さっきも言ったけど、ゴールするまで終わらないからね」
天使に見送られ、私たちは屋上の扉を開けた。
眩(まばゆ)い光が、一気に溢れてくる__。
夢が、醒めるんだ。
そんな気がした瞬間、私はベッドの上で目が覚めた。
やっぱり夢か。
ばばあが、あんな変なもの押しつけるから、変な夢を見てしまった。
100万円を拾うとか、現実にあればいいけど。
それにしても、夢の内容をはっきりと覚えているもんだな。
未知瑠に話してやんなきゃ。
ネタ持参で登校すると、1番に未知瑠が駆け寄ってきた。
「昨日、変な夢みたんだよね」
と。