リアル人生ゲーム(裏)


一気にその場が白けた。


いくらゲームだとはいえ、あり得ない。


まだ私が100万円拾うのはいい。


でも、佐野友美がスカウトされてモデルになるなんて、あまりに現実とはかけ離れている。


ゲームだとはしても、やる気が失せていく。


「帰ろーぜ。それともこれ、ゴールまでやんの?」


亮平がつまらなそうに言うと、彰とともにマス目から離れていく。


クラス委員にいたっては、もう屋上の扉に手をかけていた。


「私はちょっと面白かったんだけどなー」


未知瑠も後に続く。


「サイコロを振るのは、1日1回だよ。さっきも言ったけど、ゴールするまで終わらないからね」


天使に見送られ、私たちは屋上の扉を開けた。


眩(まばゆ)い光が、一気に溢れてくる__。


夢が、醒めるんだ。


そんな気がした瞬間、私はベッドの上で目が覚めた。


やっぱり夢か。


ばばあが、あんな変なもの押しつけるから、変な夢を見てしまった。


100万円を拾うとか、現実にあればいいけど。


それにしても、夢の内容をはっきりと覚えているもんだな。


未知瑠に話してやんなきゃ。


ネタ持参で登校すると、1番に未知瑠が駆け寄ってきた。


「昨日、変な夢みたんだよね」


と。


< 19 / 265 >

この作品をシェア

pagetop