リアル人生ゲーム(裏)
「一緒に帰らないか?」
そう彰に誘われ、私たちは並んで学校を出た。
きっと私を気遣ってくれたのだろう。
顔を蜂に刺された未知瑠や、屋上から転落した友美。
立て続けに起きた不吉な出来事に、私が参っていると思い「大丈夫か?」と優しく声を掛けてくれた。
未知瑠は登校しておらず、側についているのか亮平も居ない。
友美はあれからすぐに病院に運ばれたが、周りが「死んでいる」と口々に言っていた。
あの高さから勢いよく落ちたんだ。
由佳の思惑通りになった。
これで私たちは奴隷から解放されたことになる。
「駅のところに新しくできたカフェ、行かないか?」
彰に促され、ハワイアンカフェにやってきた。
「俺、このパイナップルのパンケーキ」
「甘いもの好きだった?」
「生クリーム派だ」
なぜか威張る彰が可笑しくて、つい笑ってしまった。
私はミニのパンケーキを注文し、しばらくは他愛もない話をする。
「お待たせしました」と運ばれてきたパンケーキに、目が点になった。
生クリームが大きな山となっている。とても食べきる量じゃないと思ったが__彰が笑顔でかぶりつく。
どう見ても、厳つい彰とは不釣り合いだ。
それがまた可笑しくて、私は笑ってしまったんだ。