リアル人生ゲーム(裏)
【俺と付き合ってくれ】
彰の言葉が、私の胸を熱くする。
なんだか急に照れ臭くなってきて、慌てて席を立った。
高ぶる気持ちを落ち着かせるために、トイレに逃げ込む。
彰はきっと、私を全力で守ってくれるだろう。
亮平みたいに、私を裏切ることはない。
このゲームが終われば___もう私の答えは出ているのと同じ。
そう思うと、残酷な毎日にも耐えられる。
あと少しで、終わりを迎えるからだ。
未知瑠が私を憎んでいるのは、その目を見れば明らかだった。ゲームに引き入れた私のせいだと言いたいのだろう。
友美にいたっては、屋上から落ちて死んだ。
悪いことばかりが重なり、気持ちも塞ぎこむ。
けれど、光が見えた。
暖かくて、力強くて、私を優しく包み込んでくれる光。
鏡に映っている私も、自然と笑顔になるというもの。
その時、誰かが入ってきたので、冷たい水で手を洗った。
カフェのトイレは広く、洗面台は一面が鏡ばりになっている。
顔を上げて鏡を見ると、そこには頬を緩めた自分が見返していた。
どうしても、笑顔が溢(こぼ)れてくる。
抑えられないんだ__。