リアル人生ゲーム(裏)
すぐに病院に運ばれ、手術が行われた。
「私は悪くない。悪いのはゲームを始めた光莉なんだから!」
警察に連行される途中にも、未知瑠は私を責め立てた。
彰をナイフで刺したというのに、私が悪いのだと。
私が__。
手術は成功したが、今日が峠だという。
警察の事情聴取が終わり、どうしても彰に付き添いたいとお願いした。断られても彰の側を離れない!という気持ちが通じたのだろう、誰もいない病室で彰と2人、静かな夜を過ごす。
静かに眠っている。
上下する胸元、聞こえてくる寝息、温かな手。
それらすべてが、彰が生きていることの証。
あとは意識さえ戻ればいい。
意識さえ。
彰の手をぎゅっと握りしめ、私は祈った。
どうか、目を覚ましますように。
けれど、未知瑠の言葉が割り込んでくる。
「光莉のせい!」と叫んでいたが「あんたが悪いんだから!」となり最後は「お前のせいだ!」と喚いていた。
「お前が、こんなゲームを始めたからだ!」と。
その通りだ。
全部、私が悪い。
未知瑠があんなひどい顔になったのも、だから私を刺し殺そうとしたのも、私を庇(かば)って代わりに彰が刺されたのも__なにもかも、私が悪いんだ。