リアル人生ゲーム(裏)


すぐに病院に運ばれ、手術が行われた。


「私は悪くない。悪いのはゲームを始めた光莉なんだから!」


警察に連行される途中にも、未知瑠は私を責め立てた。


彰をナイフで刺したというのに、私が悪いのだと。


私が__。


手術は成功したが、今日が峠だという。


警察の事情聴取が終わり、どうしても彰に付き添いたいとお願いした。断られても彰の側を離れない!という気持ちが通じたのだろう、誰もいない病室で彰と2人、静かな夜を過ごす。


静かに眠っている。


上下する胸元、聞こえてくる寝息、温かな手。


それらすべてが、彰が生きていることの証。


あとは意識さえ戻ればいい。


意識さえ。


彰の手をぎゅっと握りしめ、私は祈った。


どうか、目を覚ましますように。


けれど、未知瑠の言葉が割り込んでくる。


「光莉のせい!」と叫んでいたが「あんたが悪いんだから!」となり最後は「お前のせいだ!」と喚いていた。


「お前が、こんなゲームを始めたからだ!」と。


その通りだ。


全部、私が悪い。


未知瑠があんなひどい顔になったのも、だから私を刺し殺そうとしたのも、私を庇(かば)って代わりに彰が刺されたのも__なにもかも、私が悪いんだ。


< 198 / 265 >

この作品をシェア

pagetop