リアル人生ゲーム(裏)
もしも、このまま彰が目を覚まさなかったら?
そう思うだけで、心臓が冷たくなる。
このゲームさえ始めなければ、板垣だって死ぬことはなかった。
私が殺したようなものだ。
未知瑠の顔を傷つけ、凶行に走らせたのも私のせい。
これで彰にまで何かあれば__。
「ごめん」
彰の手を握り、私は謝った。
謝ってもどうなるものでもない。
彰は、私を守ってくれた。
体を盾に、こんな私を守ってくれたんだ。
「私も、私も__彰のことが、好き」
溢れ出てくる涙を手の甲で拭い、ちゃんと伝えた。
本当はゲームが終わってから答えるはずだが、もう私の心は決まっている。
彰が目を覚ましたら、私は彰の思いを受け取る。
だからお願い、目を覚まして。
お願い__。
その時、彰の指が動いた。
「あ、彰⁉︎」
瞼が、ぴくぴく震えている。
目を、覚まそうとしているんだ!
「彰っ、起きて!お願い、お願いだから!」
激しく体を揺さぶると、それまで静かに眠っていた彰が顔をしかめる。
表情が現れ始めたんだ。
「彰、起きて!」
大きな体に覆いかぶさるように、私は彰の耳元で何度も繰り返す。
何度も。
何度も。