リアル人生ゲーム(裏)


屋上には由佳だけじゃなく、未知瑠がいた。


なんで未知瑠が?


そうか、留置場にいたとしても眠ってしまえば、ゲームが始まるんだ。


殴ってやりたかったが、彰の手のひらの温もりがまだ残っている。


なんとか思い留まった。


けれど、彰の姿が見当たらない。


まだ眠っていないのか?


手術のあと、ずっと眠っていたから、まだ起きているのかもしれない。


ということは__今、私の寝顔を見ているとか?


そう考えると、途端に恥ずかしくなってきた。


よだれ垂らしてないか?


白目だったりしないか?


無防備な寝顔を見られるなんて、耐えられない!


早くサイコロを投げてゲームを終わらせたいが__。


「なんだか、殺して損した気分だわ」


ふて腐れたように由佳が吐き捨てる。


友美はやっぱり死んだのか?


友美本人がこの場に現れないことが、死んだ証。でも屋上から突き落としたというのに、由佳は全く悪びれてもいなかった。


勝ち誇ったように笑っている。


しかし、次の瞬間、その笑みが凍りつく。


「本当に、殺したの?」


という、悪魔の一言で。


「殺してやったわよ。屋上から落ちたのよ?死んだに決まってんじゃん」


「息してないの、確認した?」


「それは__」


由佳が口ごもる。


まさか、友美は生きているのか?


でもそうなったら、今度こそ怒って爆弾を使ってしまうんじゃ?


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