リアル人生ゲーム(裏)
「いやっ、いや__」
首を振って後ずさりする由佳だったが、見えないなにかに引きずられるようにマス目を進む。
懸命に逃げ出そうとしているが、逆らうことができないんだ。
出した目を進むしかない。
「だ、誰か助けて!誰かっ⁉︎」
首だけをよじって振り返るが、私たちは全員が目をそらした。
いや、友美だけは瞬きもしないで由佳を見ている。
これから死ぬ、由佳のことを。
「アイテムとか使って助けてよ‼︎」
2マス目を踏んだ由佳が叫ぶが、どうすることもできない。
確か未知瑠は【リターン】、亮平は【ダーツ】を持っているが、今さら助けられない。
友美が【爆弾】を使っても同じこと。
私の持っている【チェンジ】で入れ替わることができるが__。
入れ替わるつもりはない。
「いやっ!お願い!」
そう言って足を突っ張るも、進む力には敵わない。
とうとう3マス目を踏むと、燃え盛る炎で由佳の顔が明るく照らされる。
そして。
炎に引き寄せられるように、4マス目に到達する。
しばらくは何も起きなかった。
悪魔のこけ脅しかと思ったが__。
「あつっ、あづい、あぁあああづぃいいいー‼︎」
由佳の断末魔の叫びが響き渡った。
炎に包まれた由佳はでも、マス目の中に囚われたまま焼けていく。