リアル人生ゲーム(裏)
跡形もなく、消え去ったんだ。
その衝撃は、私たちに重くのし掛かる。
なぜなら、これから先__いくつもの炎が待ち構えているからだ。
特にゴール前は、ほとんど火柱が続いていた。
あそこにマス目に止まってしまえば、焼け死んでしまう__。
「あれー?爆弾、使うんじゃないの?」
悪魔が首を傾げて言った。
サイコロを投げようとしている、友美に向かって。
「と、とりあえずあの女が死んだからいいのよ」
と、放り投げる。
やっぱり自分が消えたくないだけだろう。
①を出し、一歩だけ進む。
次は私だ。
サイコロを投げ、出た目だけを進めば、はっきりする。
彰が、どうなっているのか。
私が目を覚ました時、手のひらの温もりが無くなっているのか?
いや、でも私は信じる。
彰のことが好きだと、気づいたんだ。
キスだってした。
これが終われば、私は彰と付き合うんだ。
だから、ゲームも進まなければいけない。
その気持ちが通じたのか、サイコロは⑥だった。
一歩ずつ、確実にマス目を進む。
それは、大切な人の元へと進んでいるのと同じ。
マス目に変わりはなく、私は現実に戻った。
彰が待っているはずの世界へと__。